地理的概念の違い
- 2015/03/31
- 11:22
日本で発行している世界地図を見ると、日本が真ん中に書いてあり、その周りに世界各国が配置されています。
しかし、ほかの国で発行している世界地図を見てみると全く違うことに気づくはずです。例えば英国で発行されている世界地図を見てみると、グレートブリテン島が真ん中に配置され、日本は端っこのほうに描かれています。オーストラリアで発行している地図に至っては南半球のオーストラリアが中心であるために、ユーラシア大陸は端の方に追いやられています。
このように、古来世界各国の人たちは自分がいる場所を中心にして周りの世界を見たり表現したりしてきました。
それは中国も同じことです。自分を「中華」と呼び、自分から見てヨーロッパのことを「西方」と呼んでいることは皆さんご存知でしょう。ここでは、「位置関係から見た中国語の語句」ということで考察してみたいと思います。
中国語の中で、日本を意味する美称で「东瀛」と言う言葉があります。これには、中国から見て「東方にある仙郷」という意味合いが含まれています。この言葉は普通の「日本」という語句よりも敬意を払った言い方です。中国を意味する「神州」「华夏」に対応する語句として頭に入れておくといいかもしれません。
台湾の人たちの位置関係は少々複雑です。中国大陸とは台湾海峡を隔てたところに台湾島があるからです。このような理由からか、「對岸」という言葉で中国共産党が実効支配する中国大陸を指すことが度々あり、実際に台湾のニュース記事には相当な頻度で出ています。
皆さんは「内地」と言う言葉を一度は聴いたことがあると思います。意味としては「内陸の地」を指すのですが、香港や広州の人たちから見た「内地」と言うのは、自分たちよりも西側に位置する地域。具体的に言えば湖南や湖北、四川などの内陸の、「普通話」が通用する地域というイメージでしょうか。
では新疆ウイグル自治区の人たちのいう「内地」とはどこを指すのか。ここで気をつけなければならないのは、彼らがいう「内地」はより西側の中央アジアではなく、先の香港や広州の人たちの言う場所と同じ湖南や湖北、四川などの「普通話」が通用する地域であるということ。位置的には彼らから見て東側となります。
最後に、地域を指す語句から見た日本語と中国語の概念の違いについて説明しましょう。
中国語の东亚という語句。この語句は普通「東アジア」と訳すのですが、特に中国語のニュース記事で出てくる东亚には注意する必要があります。
一般的にわれわれが述べるところの東アジアは極東地域、つまり南北朝鮮、中国と台湾、日本、モンゴルぐらいのことを指すと認識している人がほとんどだと思います。しかし中国語で述べるところの东亚はそれよりも範囲が広く東南アジアも含まれていたりします。
つまり中国のニュースで述べるところの东亚はしばしば东亚共同体、日本語で言うところの「東アジア共同体(平たく言えば東アジアサミット参加国)」の略称で使われるのです。例えば「东亚合作」と言った場合。これは上記の「東アジア地域の国の協力」ではなく、「東アジア共同体の枠内の協力」と言う意味になります。東アジアサミット参加国のメンバーは東南アジアやインド、ロシア、オーストラリアまで含まれます。「これらの国の協力」という意味になるのです。
このように地理的概念については、日本語と中国語、それぞれについて異なるところがたくさんあります。これらについては資料やニュースを見て一つ一つ拾っていくことが重要になって来るでしょう。
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しかし、ほかの国で発行している世界地図を見てみると全く違うことに気づくはずです。例えば英国で発行されている世界地図を見てみると、グレートブリテン島が真ん中に配置され、日本は端っこのほうに描かれています。オーストラリアで発行している地図に至っては南半球のオーストラリアが中心であるために、ユーラシア大陸は端の方に追いやられています。
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それは中国も同じことです。自分を「中華」と呼び、自分から見てヨーロッパのことを「西方」と呼んでいることは皆さんご存知でしょう。ここでは、「位置関係から見た中国語の語句」ということで考察してみたいと思います。
中国語の中で、日本を意味する美称で「东瀛」と言う言葉があります。これには、中国から見て「東方にある仙郷」という意味合いが含まれています。この言葉は普通の「日本」という語句よりも敬意を払った言い方です。中国を意味する「神州」「华夏」に対応する語句として頭に入れておくといいかもしれません。
台湾の人たちの位置関係は少々複雑です。中国大陸とは台湾海峡を隔てたところに台湾島があるからです。このような理由からか、「對岸」という言葉で中国共産党が実効支配する中国大陸を指すことが度々あり、実際に台湾のニュース記事には相当な頻度で出ています。
皆さんは「内地」と言う言葉を一度は聴いたことがあると思います。意味としては「内陸の地」を指すのですが、香港や広州の人たちから見た「内地」と言うのは、自分たちよりも西側に位置する地域。具体的に言えば湖南や湖北、四川などの内陸の、「普通話」が通用する地域というイメージでしょうか。
では新疆ウイグル自治区の人たちのいう「内地」とはどこを指すのか。ここで気をつけなければならないのは、彼らがいう「内地」はより西側の中央アジアではなく、先の香港や広州の人たちの言う場所と同じ湖南や湖北、四川などの「普通話」が通用する地域であるということ。位置的には彼らから見て東側となります。
最後に、地域を指す語句から見た日本語と中国語の概念の違いについて説明しましょう。
中国語の东亚という語句。この語句は普通「東アジア」と訳すのですが、特に中国語のニュース記事で出てくる东亚には注意する必要があります。
一般的にわれわれが述べるところの東アジアは極東地域、つまり南北朝鮮、中国と台湾、日本、モンゴルぐらいのことを指すと認識している人がほとんどだと思います。しかし中国語で述べるところの东亚はそれよりも範囲が広く東南アジアも含まれていたりします。
つまり中国のニュースで述べるところの东亚はしばしば东亚共同体、日本語で言うところの「東アジア共同体(平たく言えば東アジアサミット参加国)」の略称で使われるのです。例えば「东亚合作」と言った場合。これは上記の「東アジア地域の国の協力」ではなく、「東アジア共同体の枠内の協力」と言う意味になります。東アジアサミット参加国のメンバーは東南アジアやインド、ロシア、オーストラリアまで含まれます。「これらの国の協力」という意味になるのです。
このように地理的概念については、日本語と中国語、それぞれについて異なるところがたくさんあります。これらについては資料やニュースを見て一つ一つ拾っていくことが重要になって来るでしょう。
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