私は、高校に入ったときから中国語とのお付き合いを続けています。もう15年以上になるでしょうか。その経験から、中国語という言語についてちょっと感想を。
どの外国語でもそうですが、中国語にも習得するに当たっては幾つかハードルがあります。でも、そこそこのレベルでいいということならば、私は中国語はほかの外国語と比べてハードルが圧倒的に低いと思っています。
日本人の初心者がぶつかる大きなハードルはなんといっても発音でしょう。ピンインや巻き舌音、四声など、私たちの頭をなやませる問題がてんこ盛りなわけですが、実はそこそこのレベルの中国語を身に着けたいと思っている日本人にとっては、ここのハードルがほぼ80%以上だったりします。逆に言えば、発音の部分を徹底的に磨いて完璧にすれば、後の中国語学習は圧倒的に楽になります。
私は高校の外国語学習クラブで中国語を勉強しました。1週間に一回ぐらいでしたから、発音の基礎をやり、基礎的な会話をやれば、簡単に1年が過ぎてしまいます。クラブでは部員が私と数人の友人以外ほとんどいませんでしたから、新学期の4月に新入部員を迎えると、また最初に戻って発音の基礎からやらざるを得ない。こんな繰り返しの3年間でした。
これが良かったのかどうかはわかりませんでしたが、この3年間で発音の基礎がかなり身に着いたと思っています。
良い発音はヒアリング向上にもつながります。この事実は十五年以上経ち、プロになった今でも日々実感している厳然たる事実です。ですから中国語の初級者の方も、プロを目指している方も、是非日々自分の発音をチェックし、ネイティブに近づける努力を怠らないようにしてください。その努力はきっと後になって役に立ちます。
さて。中国語の場合、初めの関門を突破すれば、中級、中上級まではすんなり進めると思います。HSKなどもしっかりと勉強を進めれば、最上級を取ることもそれほど難しくないと思います。
しかし問題はそこからです。日本においては、上級向けの中国語関係の書籍がほとんどありません。しかもそれらを読んだとしても、実践で使えるものとは限らない。
私は次のステップに上がることのできる条件として次のようなものがあると考えています。
1.自分の言葉でしっかりと相手に伝わるよう説明できること。
経緯や理由、自分の主張などなど、ロジック的にしっかり筋が通り、なおかつ相手に伝わるよう自分の言葉を使った中国語で説明できますか?これまでは、自分の言いたいことを教科書の語句に合わせて、教科書通りの話しを「不本意ながら」していたかもしれません。しかし、このレベルに到達した人はやはりそれでは不足しています。ぜひそのレベルに達することができるよう、できるだけ多くの中国の書籍にあたり、言い回しなどを自分のものにしてみてください。
2.中国各地の「一般市民」の言葉を聞き取れるようにすること。
実はこれが一番難しいハードルだったりします。アナウンサーがしゃべっている言葉はいわゆる中国人が学校で習う「普通话」であり、これを聞き取れるようにするなら努力で何とかカバーできます。しかし中国に住んでみれば、街中の一般市民が話している中国語はいわゆる「普通话」ではないことが分かるでしょう。しかも、中国各地の人たちが話している中国語のなまりは多種多様で、一筋縄ではいきません。ここに中国語の奥深さがあったりします。一番いいのは国内各地を旅行して現地の人たちの言葉を聞いたり、話したりすることですが、時間や余裕がないと言う人はCCTVの番組とかを見て、「どのような地域の人がどのようななまりを話すのか」ということを理解しておくことが必要かと思います。
ともあれ、中国語を極める道は長く、私自身もまだ到達していません。たゆまぬ努力が大切になるでしょう。
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